我が家の田んぼ

「我が家の田んぼ(借り物)」
ヤマアカガエルの上陸開始を待っての荒代掻きなので・・・これが現状。
1枚目はクレソンとセリがそれはもう大賑わい。

2枚目は育苗ハウスから移動を始めた稲苗のためにすこしだけ耕うん済み。


この田んぼ、もちろん人間のためにお米も作ります。農法は稲葉先生直伝+と言うか手抜き農法。収量?1年分はできます。別に商売用ではないので・・・これ以上の投資はしませーーん。
そして、お米以外に育てているのが「田んぼの生きもの(食べて食べられ両方)」この時期にハッキリ目に見える一番数が多い動く生きものがヤマアカガエル。これが軸となり・・・この時期にはすでに蛇とタヌキ、鳥たちがやってきて・・・さらにいろんな種類のカエルもわさわさいます。
小さな水生生物もチラチラ見え始めて、ミジンコなども出始めています。*植物が多すぎて見えないのも事実。
浮草も増え始めており、藻類も見え始めています。
荒代掻き後にはこれらのうちいくつかが爆発的に増えて、この平和そうな湿原の様相が田んぼに変わります。
お米も大事ですが・・わたしにとっては商売道具である「田んぼの生きもの観察会」の現地実習園としての役目のほうが大事かも。
確かに農地は人の手がたくさん入る場所です。そういう意味では「自然ではない」でしょう。けれども長くそこにあって、生態系の一部となっている場合は・・・なくなると地域の生態系を損なう可能性があります。休耕して山に戻せばいい、原野がいいという主張の一部には反対しませんが・・・やはり農地は残すべきと思います。特にここの場合は、この沢筋の田んぼの中で、ヤマアカガエルの産卵ができるところがここだけなのでね。

「我が家の田んぼ(借り物)」ヤマアカガエルの上陸開始を待っての荒代掻きなので・・・これが現状。1枚目はクレソンとセリがそれはもう大賑わい。2枚目は育苗ハウスから移動を始めた稲苗のためにすこしだけ耕うん済み。この田んぼ、もちろん人間のた…

谷川 徹さんの投稿 2020年5月25日月曜日

「田んぼの生きもの市民調査」

「農と生きもの研究所」Facebookページも、今シーズンより運用していく予定です。
2016年7月5日投稿より。下に全文も載せていますので読みやすいほうをどうぞ。

今回2016-07-02の関東出張は全農さんが企画した市民向けの観察会での参加でした。
場所は伊勢原市、参加者は都内近郊在住のご家族(多分)。
数年前から企画立案含めて参加させていただいているのですが、意図はただ単に「田んぼにいる生きものを観察しよう!」ではなく、田んぼの生きものという視点で、みんなが食べている生きもの(お米などですね)を楽しく知ってほしい。なんです。
なので、田んぼで生きものを探す→捕まえる→みんなで観察する。この流れと、どんな生きものが見つかったか共有する→お話しするというお勉強的な部分も大事にしています。
小学生低学年が多いので、柔らかくわかりやすくお話ししますが、視点は田んぼだけではなく、地域の生態系から地球単位までぐんぐん広げます。
例えばカエル。今回は日本アマガエルがたくさんいました。アマガエルたちは田んぼで生まれ、大人になると旅に出ます。そしてまた産卵のために田植えのころに生まれた田んぼに戻ってきます。ではこの田んぼ(生まれ故郷)がなくなるとどうなるか?世代交代できずに死んでしまいます。
生きもの(カエルなど)が見つかって楽しかったね!だけではなく、「考える」「学ぶ」というきっかけにもなるように工夫しているのですね。(我が師匠宇根豊の十八番なんですけど、活用させていただいております)

当然ですが、田んぼの生態系はきわめて複雑であり、地域性も圃場ごとにもかなり違います。季節でも変わりますね。何かがいたからこうだなんて言えません。そんな乱暴な解釈では謝った判断をしてしまうでしょう。
*朱鷺や鸛、大型の水生昆虫は確かに「カッコいい」です。目立つし、人気もあります。でもね、小さな小さな取るに足りないような名前もよくわからない(ありますけど)「ミジンコ」も大事です。ミジンコやイトミミズ、ユスリカなどがいてこそ、おっきな生きものも暮らせるのですからね。

ただの虫なんてどこにでもいるけどどこにでもいない、何のためにいるのかも人類の視野からは見えません。でもそこにいるということは「意味」があるからいるのです。
我々も生きものです。つまりはこの複雑かつ解明しがたい自然の中で生きているわけですが、そのことに気が付く人はとても少ない。
身近な自然(農地もね)から生きもののことを考え、そして食や暮らし、地域や生態系、ひいては地球のことも考えてもらうきっかけに「田んぼの生きもの観察会」はよい方法だと思います。
場所は田んぼ(あるいは畑やその周辺)であれば農法は問いません。有機の田んぼでなくてはいけないわけでは決してないです。むしろ、慣行(農薬や化学肥料使用)の田んぼで実施して、少しでも生きものにやさしい、地域の生態系に配慮した田んぼになるが増えることを望んでいます。
人も生きものです。生きものが住みにくい世界では、きっとヒトという生きものも住みにくいのではないでしょうか。

*画像は参加者の方からお借りしました。なんだかやさしくていい写真ですね。私には撮れないな。